化学電池とは

化学電池の歴史

化学電池は今では私たちの生活には欠かすことのできないものとなりました。

世界最古の化学電池は、イラク・バクダット郊外のホイヤットラブヤ遺跡から発見されました。
紀元前250年には、パルティア人たちはすでにつぼ型の電池を使用していたことが分かっています。

1780年イタリアの生物学者ルイジ・ガルバーニは、カエルの足を鉄の柵にぶら下げ、足先の筋肉に真鍮の針金を触れさせると、カエルの足がピクッと動くことを見つけました。
これが化学電池の起源でした。

1799年、アレッサンドロ・ボルタは希硫酸と亜鉛板と銅板を用いて「ボルタの電池」を考案します。さらに1800年、ガルバーニの実験結果を証明することにも成功しています。

ボルタの電池が発明されてから、化学電池の研究は急激に加速していきます。ボルタの電池は画期的な発明でしたが、いくつか欠点もありました。

1836年、イギリスの化学者ジョン・ダニエルはボルタの電池の欠点を解消した「ダニエル電池」を発明します。
しかしダニエル電池にも欠点があり、化学電池としての実用化にはまだまだ不十分でした。

1868年、フランスの技術者ルクランシェはダニエル電池を改良して「ルクランシェの電池」を発明します。

これは現在の乾電池の原型と呼べるもので、かなり化学電池の性能も向上しましたが、電解液の交換や液漏れ、電極の掃除などが必要な湿電池であったため、電池の機能性維持に大変手間がかかりました。

日本人でも、化学電池を発明した人がいました。屋井千蔵は湿電池の機能を維持して、電解液をゲル状にした「乾電池」を発明しました。

屋井は特許申請が出来ず、せっかくの素晴らしい発明技術をアメリカの企業に奪われてしまいます。日本にもアメリカの乾電池が大量輸入され、屋井の功績はしばらくの間忘れられてしまいます。

1894年の日清戦争で、寒冷地でも問題なく使用し続けられる屋井の乾電池に注目が集まり、今では、「乾電池王」と呼ばれています。



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化学電池のしくみ

化学電池を構成するのに必要なものは、2種類の金属と電解液です。
次のようにして化学電池から電気を引き出すことができます。

まず、電解液に2種類の金属を入れます。この時、2種類の金属が触れ合わないようにします。
2種類の金属を同線でつなぎます。
これで化学電池が出来上がります。

化学電池で電気が発生するしくみは次のようになっています。

2種類の金属はイオン化傾向の大きさが異なります。
片方の金属が電子を放出して溶解し陰極(−極)になり電解液中に溶解します。

もう一方の金属は電解質中の陽イオンを引き寄せ陽極(+極)となり、陽極にある電子と結びついて、電極の周りに電解質が付着します(あるいは気体が発生します)。

陽極(+極)で、電解質と結びつく電子は、陰極(−極)から供給されます。陰極(−極)で、金属が溶けるときに放出した電子です。

陰極(−極)の電子は、導線を伝って陽極(+極)まで移動します。つまり電子の流れができ、電気が起きます。これが化学電池の仕組みです。

化学電池は、用いる2種の金属・電解液の組み合わせによって、様々な反応が起こり、化学電池の性能も寿命も異なってきます。

電解液中に、陽極(+極)で電子と結びつく電解質がなくなる、あるいは、陰極(−極)で電子を供給する金属がなくなる(=つまり陰極の金属がすべて溶解する)とき、化学電池はもはや電子の流れを作ることが出来なくなります。

これを化学電池の寿命といい、電極あるいは電解液を交換することで、化学電池は再び電気を作り出すことができるのです。

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化学電池の科学

化学電池を科学するときに、重要な要素が3つあります。
レジスタードマーク イオン化傾向
レジスタードマーク ファラデーの法則
レジスタードマーク 標準電極電位

私たちの身の回りの化学物質はすべて元素という最小単位からできています。元素は原子・中性子・陽子の3成分からできていて、元素が結合して原子を形成しています。

元素(原子)の中には、電子を放出する、または電子を取り入れることによって、安定な形として存在する元素(原子)があります。陽子は+の、電子は‐の電荷をもっており、電子を手放したり取り入れたりすることによって、その元素(原子)は電荷を帯びた状態になります。これを「イオン」といいます。

元素(原子)の種類によって、イオンになりやすさが異なります。特に金属類についてはよく知られており、これを「イオン化傾向」と言います。
マグネシウム:Mg(E°= −2.356 V) < アルミニウム:Al(E°= −1.676 V) < 亜鉛:Zn(E°= −0.7626 V) < 鉄:Fe(E°= −0.44 V) < スズ:Sn(E°= −0.1375 V) < 鉛:Pb(E°= −0.1263 V) < 水素:H(E°= 0 V) < 銅:Cu(E°= 0.340 V) < 銀:Ag(E°= 0.7991 V)
となっています。(E°はそれぞれの酸化還元電位値を示す)

イオン化傾向は、水素の標準酸化還元電位(E°)を E°= 0 V としたときに、その差で表されます。化学電池で用いた2種の金属のイオン化傾向を比べたとき、標準酸化還元電位が小さい方が陰極(−極)、大きい方が陽極(+極)になります。

標準酸化還元電位は化学電池を考えるうえで大変重要な要素です。化学電池の起電力、つまりは化学電池の能力を算出することができるからです。

化学電池を考えるときには、ファラデーの電気分解の法則というのがよく引用されます。1833年にマイケル・ファラデーが発見した電解液中の電気分解に関する法則で第1法則と第2法則があります。

第1法則「電気分解された物質の量は、流れた電流量に比例する」
第2法則「1グラム等量の物質を析出させるのに必要な電気量は、物質の種類によらず一定である」

第2法則で定義される一定の値は「ファラデー定数:F」と呼ばれ、酸化還元電位値を算出する際に利用されます。

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